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12.相続財産の評価について

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12.相続財産の評価について

カテゴリ:相続
こんにちは。不動産コンサルタントのてるちゃんこと、照井でございます。

さて、今回のブログテーマも相続となりますが、今回は相続財産の評価について執筆して参りたいと思います。

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民法と相続税法の違い

民法は、相続財産の評価は「時価」すなわち通常の売却可能価格をベースに相続に関する権利・義務の範囲を定めています。その一方で、相続税法相続税の納税者と相続税の算出方法、納税方法などを定めています。つまり、民法相続権や財産権の権利に関するものであり、相続税法は相続税という国税の納税義務の範囲を定めています。


相続財産の財産評価の仕方の違い

相続財産の分割のベースになる財産の金額は、通常は時価です。ここでいう時価とは、相続開始時における「客観的な金銭(具現化できる価格)の評価額」のことになります。したがって、預貯金などについては民法も相続税法も基本的には同じですが、土地や建物などでは少し異なってきます

相続税法では、第22条で「財産は時価で評価し、債務は現況による」と定めています。ところが、財産評価基本通達において定めた評価方法を時価とすることも認められています。つまり、土地は路線価方式や倍率方式、家屋は固定資産税評価額などを使用してもよいということである。

不動産などは処分することに時間やコストを要する。そのため、相続税法では原則として時価(現金化できる価格)より低めの価額を設定して財産評価通達に定めている。そうすると、各相続人が同じ時価の財産を相続したにもかかわらず、それぞれが納税する相続税額に違いが生じるケースもある。

建物の時価も相続税法上は固定資産税評価額となり、さらに貸家の場合には、借家権割合が差し引かれて評価される。したがって、固定資産税評価額が同じ建物でも、自用の建物より貸家を相続した者の相続税が低くなることになる。

小規模宅地等の評価減を受けた土地と受けていない土地等については、さらに大きな差がつくことがある。400㎡までの事業用地や330㎡までの居住用地(相続や遺贈による取得の場合)は80%の評価減となるため、相続人の相続税評価額は大幅に減少する。つまり、民法の時価ベースは同じでも、小規模宅地等の評価減を受けられない土地を相続した相続人とは相続税額においてかなりの差が生じるわけです。


まとめ

現在の相続税法では「法定相続分遺産取得課税方式」という計算方法が採用されています。被相続人の相続財産の相続税法上の課税価額を算出してから基礎控除を差し引いた課税遺産総額を求め、その後、法定相続分に応じて全体の相続税額を算出する(相続税法第11条)方法です。つまり、最初に相続税の総額が決まるので、誰がいくら納税するかは国からみるとあまり意味がないわけです。

ところが、相続人は自分の取得した相続財産(相続税法上の相続財産)に応じて相続税を納めることになる。つまり、民法上では、相続財産を均等に分割したにも関わらず、相続税の負担額は各人で違うということになる。意外と相続人の間では意識されていないため、気を付けておくべきである。(平等だと思っていたら実は平等でなかった、といった事の無いように気をつけましょう。)

また、土地の価額が上昇局面(生産年齢人口の増加による土地の利用価値が向上する時代や価値が上がらないのに価格だけが上昇するというバブル時代など)にある場合は、路線価が時価を下回り、逆に年々時価が減少していくと路線価が時価の減少スピードに追い付けず、路線価より時価が低くなる土地も生じてきます。こういったことも踏まえた上で、相続税についてはなるべく負担が少なくなる様に考えていかなければなりません。


そして次回は相続財産の範囲について執筆する予定でございます。


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